1970年代に製造された、アンティークのロレックス オイスターパーペチュアル デイトジャスト 1603。
もう長らく止まったまま放置していたのを、ロレックス正規店でオーバーホールに出してきました!
せっかくなので、オーバーホールにかかった期間や価格を記録しておきたいと思います。
保証書はないし、偽物かもしれない
わたしが所有しているデイトジャスト1603は、祖父の形見として受け継いだもの。といっても、わたしがこの腕時計をもらった時にはすでに腕時計は止まっているし、全体的に傷んでいるし、保証書等も一切ナシ。
薄汚れて時の止まった腕時計をむき身で貰った……という状況でした。すでに祖父は亡くなっていたので、「そもそもこのロレックスは本物なのか?」も確かめようがなく、正直ちょっとアヤシイ感じ。
とはいえ祖父の思い出は大切にしたいし、可能なら綺麗にメンテナンスして受け継いでいきたい!
ということで、「偽物だったらちょっと恥ずかしいな、保証書とか無くてもオーバーホールできるのかな……」などと不安に思いつつ、とりあえずロレックス正規店に持ち込んでみることにしました。
傷だらけだったロレックス
オーバーホール前のデイトジャスト 1603はこんな感じ。全体的に、かなり傷の目立つ状態でした。
素人がパッと見ただけでも、
- 風防(表面のガラス)が傷だらけ
- ありとあらゆる隙間に汚れが詰まっている
- 針がなんかサビっぽい
などなど、ハッキリ言ってかなり汚いしガタがきている印象。
でも、この汚れた腕時計を見た時に「あぁ、これは間違いなく祖父が愛用した物なんだなあ……」と、懐かしく温かい気持ちになったのも事実。
祖父はやや破天荒な人で、釣りに夢中になるあまり山で遭難したり、硫黄の強すぎる池に落ちて服がボロボロに破けた姿で帰宅したこともありました。
ファッションやブランド物にはとことん無頓着で、このロレックスも仕事の立場上、ちゃんとした腕時計が1本くらいあった方が良かろう……というフワッとした意図で買ったことは想像に難くありません。
そんな祖父のことなので、ロレックスであろうが丁寧に扱ったりはせず、ガシガシ乱雑に使っていたに違いなく……内部に決定的な故障がないことを祈りつつ、ロレックス正規店を訪ねました。
約2カ月&11万円でオーバーホールできた
わたしが今回、腕時計を持ち込んだのは、東京・日本橋にあるタカシマヤウォッチメゾン内のロレックスサービスカウンターです。
ロレックスでのオーバーホールはざっくりこんな流れ↓
- 腕時計を預けて、オーバーホールの見積りを依頼する
- 見積書が郵送されてくる
- 見積内容がOKであれば、電話で作業に進んでもらうよう依頼
- 2カ月くらいで、オーバーホール完了の電話が来る
- 店頭まで受け取りに行く
腕時計を預けて、見積りを依頼
ロレックスでのオーバーホールの依頼には、とくに来店予約などは必要なく、ふらりと立ち寄ればOKです。
わたしの場合は保証書や箱などの付属品もなかったので、腕時計を生身で持って行ったのみ。それでも嫌な顔をされることはなく、すぐにオーバーホールが可能かをチェックしてくれました。
というのもアンティークロレックスの場合、製造年が古すぎてオーバーホール&修理用の替え部品がない場合もあるそう。わたしのデイトジャスト1603は幸いにしてオーバーホール可能だったため、そのまま時計を預けて、まずは見積をお願いすることになりました。
こちらが腕時計を預けた際にもらった預かり証。まさか収入印紙を貼られるとは思っていなかったのでびっくり!
なお、このタイミングでオーバーホールにかかるおおよその費用を「10万円程度」とあらかじめ教えていただけました。
郵送で見積書を受け取る
時計を預けてから約2週間で、見積書が送られてきました。内容はこちら↓
- オーバーホール:85,000円
- リューズ交換:5,000円
- 針交換:10,600円
- 合計:100,600円
- 税込:110,660円
合計約11万円と、ほぼ予告通りの見積り結果でした。
オーバーホールを正式に依頼
見積り内容もとくに問題なかったため、電話で正式なオーバーホールの依頼をします。
その際、オーバーホールには風防の交換が含まれていること、文字盤にある蛍光塗料の色が微妙に変わること、全体を研磨するか否か……などをあらためて確認してもらえ、とても安心感がありました!
店頭へ受け取りに行く
約2カ月でオーバーホール完了の電話があり、店頭まで受け取りに行きました。
代金を支払うのはこのタイミング。明細はこちらです↓
オーバーホールを進めるうちに、見積りの段階では入っていなかったクラスプ(ベルトをパチッと留める部品)の交換が必要であると発覚したそうで、あわせて交換してもらいました。
本来は有料の修理となりますが、見積りに入っていなかったということで、無料で交換してもらえました。ラッキー!
ちなみに、タカシマヤウォッチメゾンでは高島屋の株主優待が使えたため、最終的にお支払いしたのは上記金額の10%オフである「99,549円」でした。ロレックスの商品購入代金には使えないものの、修理やオーバーホールには株主優待が使えるそうです!
アンティークな風合いは残る
そして帰ってきたデイトジャスト1603がこちら!
見違えるほどの綺麗さじゃないですか?!?!?!
最初は祖父の形見といえど、古臭くであんまり好みじゃないかも~なんて思っていたけれど、こうしてみるとサッパリとした上品さのある、なかなか良い時計じゃないの!
あのボロボロだった姿が嘘のようです……!!
溝という溝にめり込んでいた汚れもスッキリしました!
交換してもらったツヤピカのクラスプ。
ベルトに研磨しても取り切れなかった細かな傷は残っていますが、かなり目立たなくなりました。
オーバーホール&修理に出すことで、ピカピカすぎる時計になってしまったらどうしよう……とやや心配していましたが、シルバーの文字盤がほんのり色あせてゴールドっぽくなっていたり、全体的に細かな傷は残っていたり。
オーバーホールに出しても取り切れなかった使用感が、むしろアンティークらしい風合いとして残ってとても嬉しいです。
保証書&時計ケースがもらえる
オーバーホールしてもらった時計を受け取る際に、「国際サービス保証書」と「オリジナル時計ケース」をもらえたのも、思いがけず嬉しかったポイント。
ロレックス正規店でオーバーホールをすると、2年間の国際サービス保証がついてくるそう。通常の使用において生じた故障については、2年間無償で修理してもらえます。
そしてこちらが、ロレックスオリジナルの腕時計ケース。
こんな風にパカッと開くようになっていて、
腕時計をかっちり固定・収納できます。旅行に行くときなどに、傷つけないように持ち運べて良い感じ!
安心して時計を任せられる正規店
ロレックスのオーバーホールというと、もっとお金や時間がかかるものとばかり思っていましたが、思いのほかサクサク進んだなという印象です。
お店の方も懇切丁寧で、腕時計やロレックスに疎いわたしにも、優しくフレンドリーに接してくださる良い方ばかり!正規店ということもあり、安心して大切な時計を任せることができました。
それにしても、
- 購入してから半世紀近くが経過しているうえ、
- かなり乱雑に扱われた形跡があり、
- ろくにメンテナンスもしてこなかった
……と思われる腕時計でも、きちんとオーバーホ―ルすれば問題なく使い続けられるだなんて、さすがはロレックス!50年前の時計を正規店で修理してもらえるのは、歴史あるブランドならではです。
腕時計には全く明るくないけれど、実用的で堅牢な良いブランドなのだなあと実感できました。
ベルトの長さも調整してもらって、わたしの腕にピッタリおさまるようになったデイトジャスト1603。祖父の思い出を、腕時計という形に残して受け継げて大満足の体験となりました。