掃除をしたい気持ちはある。断捨離してスッキリしたい!とも思う。それでもなぜかモチベーションが湧いてこない……ということが、よくあります。
そんなときに必ず手に取るのが、掃除のやる気を出して、断捨離スイッチを入れてくれる本たち!「断捨離して人生が変わった!」体験談などを読めば、「わたしもこうなりたい!」とたちまち掃除欲が湧いてきます。
なかでも今回とり上げる3冊は、1冊まるごとを読み通さなくても一部を流し読みするだけで、十分モチベーションを上げてくれる本ばかり。
パラパラとページをめくっているうちに、掃除&断捨離をしたくてウズウズしてくること請け合いです!
新 ガラクタ捨てれば自分が見える
「新 ガラクタ捨てれば自分が見える」 (小学館文庫)は、“片付け界のパイオニア”ことカレン・キングストンさんによる大ベストセラー本。大好きすぎて10回以上は読み返している、マイ「掃除のバイブル」です。
2002年の初版発売以来、なんと25万部も売れているそう!
- 「なんとなく捨てられないもの」の手放し方
- 捨てるべきものの見極め方
- 「もったいない」気持ちとの折り合いのつけ方
などなど、すぐに取り入れられるアドバイスが盛りだくさん!たとえば下記の一節は、ものを手放すか迷ったときに思い出す大好きな言葉です。
1.これを見たり思い出したりしたら、元気が出る?
2.心からこれが好き?
3.本当に使っている?
この三つの質問にイエスと答えられないのなら、その品はあなたの家で何をしているのでしょう?
カレン・キングストン「新 ガラクタ捨てれば自分が見える」(小学館文庫)
加えて、実際に断捨離をして人生が好転した人の体験談がたくさん載っているのもこの本の特徴。
大掃除をして気分がスッキリしただけでなく、失くしたと思っていたものが出てきたり、思わぬ臨時収入が舞い込んできたり、人間関係が上手くいったり……。
ひとことでいうと、「断捨離&掃除をしたら運気が上がった」体験談がいくつも収録されています。
「掃除と収入は関係ないでしょ」とか、「運気なんて気の持ちようでしょ」とか、冷静にツッコミを入れようと思えばいくらでも入れられるけれど、それでもやっぱり、リアルな体験談を読んでいるとモチベーションが上がってきます!
ちなみに本書には、著者のカレンさんが風水研究家なこともあり、思い切りスピリチュアルなことが書かれているパートもあります。
わたしは超・現実主義者で風水には全く関心がないものの、それ以上に普遍的なアドバイスも多く(てきとうに読み飛ばしつつ)抵抗なく読めました。
「気合いを入れて大掃除&断捨離をして、心機一転したい!」気分のときに最適な本書。文庫だから、家の“ガラクタ”を増やさずに済むところも気が利いています!
フランス人は10着しか服を持たない
こちらも言わずと知れた人気本の、「フランス人は10着しか服を持たない」(だいわ文庫)。書店で平積みになっているのを見た人も多いと思います。
著者のジェニファー・L・スコットさん(アメリカ人)が、フランス貴族の家にホームステイした際に学んだことをまとめた内容。
「ブランドもののカバンを持ってなくても、流行りのファッションに身を包んでなくてもいい。自分のスタイルを持って、日常を楽しむことこそが重要なんだ」というメッセージは、便利で何でもすぐに買えてしまう現代だからこそ、胸に響くものがあります。
タイトルだけを見ると服の話に特化している印象だけれど、実際にはインテリアから食事のとり方、ヘアメイクまで、ライフスタイル全般の話題が盛り込まれています。
「間食はシックじゃない」とか、「物質主義に踊らされない」とか……読んでいて耳が痛い!
もちろんフランス人が皆こうだとは思わないし、「“フランス人”や“パリジェンヌ”を勝手に美化して理想を抱いてしまうのは、日本人だけじゃないんだなあ」なんてひねくれた感想が浮かばないでもないですが、それでも読めば「素敵だなあ、憧れるなあ」と思ってしまうのだから仕方ありません。
なれるものならシックでミステリアスで、自分らしいスタイルをもった女性になりたい!そのためなら掃除も断捨離も頑張れる!と、うまい具合にやる気を引き出してくれる一冊です。
クローゼットの大掃除や、衣替えのタイミングで読むのもおすすめ!
ヘンリ・ライクロフトの私記
「ヘンリ・ライクロフトの私記」(岩波文庫) は、イギリスの作家・ギッシングによる著作。ライクロフトという初老男性の日記の形をとって綴られた、エッセーのようであり、小説のようでもある1冊です。
日記というだけあって、とくに起承転結があるわけでもなく、ただただ主人公がのどかな田園地帯で散歩と読書にふける日々が描かれています。……というと退屈そうに聞こえるけれど、むしろ実際はその真逆で!
たしかに表面上は地味に見えるライクロフトの生活ですが、その頭の中は退屈している暇なんてありません。
- 欲しかった本が届いて大喜びしたり
- 散歩中に見かける花の名前を覚えるのに忙しかったり
- 1日中好きなこと(=読書&散歩)をして暮らせる喜びを噛み締めたり
外から見たら、ただの田舎で1人静かに暮らすおじいちゃんなのですが、内実はメチャクチャに充実した日々をエンジョイしている、超絶ハッピーな人なんです!
「ヘンリ・ライクロフトの私記」を読むと、沢山の予定を入れて、ショッピングもして……と贅沢しているはずなのに、「最近、つまんないなあ」「なんとなく満たされないなあ」なんて思ってしまう自分が恥ずかしくなります。
だって、ライクロフトおじさんは些細な日常をこんなにも生き生きと楽しんでいるのに!わたしってば、日々を楽しむ好奇心や知性が足りないのでは!?と猛省。
「お金を使って何かを消費する以外の楽しみを見つけよう」「より豊かな気分で暮らせるように、身の周りを整えよう」という気分にさせてくれます。
ライクロフトみたいな、静かで豊かな暮らしを手に入れたいなあ……。
静かで豊かな暮らしがしたい。他人から羨まれるような贅沢じゃなくて、こぢんまりとした幸せをひっそり噛み締めるみたいな生活がいい。写真はフィンランドのデザイナー、アルバ・アアルトの自邸。理想と憧れが詰まっている。 pic.twitter.com/EWKF4ErrlF
— ふね (@Yukifunese) September 22, 2022
ちなみにライクロフトは、都会の無駄に華やかな生活や、世間の流行りものを小馬鹿にしたりと、ちょっとひねくれた性格のおじいちゃん。
思わずフフッと笑ってしまう皮肉の効いた描写も多く、読み物としても大好きな1冊です。
モチベーションは無理やり作ればいい
- どうしても断捨離のやる気が出ない
- 掃除のモチベーションが上がらない
- 何もかも面倒くさい!
という日が往々にしてあるけれど、実は因果が逆なような気もしています。
冷静に考えてみると、「家が汚かったり、不要なガラクタでゴチャゴチャしているから、何に対してもやる気&モチベーションが出ない」ことも多いと感じていて。
だからこそ自然に掃除&断捨離のやる気がアップするのを待つのではなくて、無理やりにでもモチベーションを作って先に行動してしまうのが自分には合っているようです。
ただしこの記事で紹介したのは、即座に断捨離スイッチが入ってしまう本ばかりなので要注意!金曜日の夜や休日など、夜通し大掃除をし続けても大丈夫なタイミングで読むのがおすすめです。